第七回沖永良部島シンポジウム

第七回沖永良部島シンポジウム

日程

開催主旨

石田秀輝

合同会社 地球村研究室 代表
東北大学名誉教授
石田 秀輝
2004年㈱INAX(現LIXIL)取締役CTO(最高技術責任者)を経て東北大学教授、2014年より現職、ものつくりとライフスタイルのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。特に、2004年からは、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものつくり『ネイチャー・テクノロジー』を提唱、2014年から『心豊かな暮らし方』の上位概念である『間抜けの研究』を沖永良部島へ移住、開始した。近著:「光り輝く未来が沖永良部島にあった!」(ワニブックス2015)ほか多数。

農家の女性

今の社会は、地球環境の劣化と物質的消費欲求の劣化という2つの限界を迎え、明確な行き詰まりを示しはじめました。一方で、これは従来の延長線上に求める豊かさは存在しないと言うことでも有ります。今、新たな定常化社会を具体的に描き、それに向かって全力で進むことが求められていますが、それは、人手が余り、資源が枯渇すると言う時代を迎えて、文明的社会から文化的社会への移行であり、具体的には、ローカル・非貨幣(お金以外の価値も評価される)・労働集約等がキーワードとなる社会でもあります。

この新定常化社会への移行は、すでに、ものより心の豊かさを求める人たちの増大、ものを欲しがらない若者の増加、自然やアウトドアあるいは家庭菜園のブーム等にその予兆が明確に見られ始めています。

子供とウミガメ

沖永良部島では、新定常化社会の具体的なかたちを明らかにするため、過去6回のシンポジウムを通して、島の文化を創り上げて来た『5つのち・か・ら』を洗い出し、毎月開催されている酔庵塾で『5つのち・か・ら』を『孫が大人になったときにも光り輝く島』にするための18の具体的施策として両町にも提案し、一方では草の根活動として、現在12の部会を組織、社会実装を目指すと同時にその一部は『まち・ひと・しごと総合戦略』にも展開されています。

 しかしながら、これらの提案を今後具体的に社会実装するためには、知識、スキル、知恵を含めまだまだ大きな壁があることも事実です。

空飛ぶクジラ

本シンポジウムでは、すでに先駆的にローカル実践を開始している日本の多くの地域の方々にも集まって頂き、沖永良部島に必要な実装手法創出の視点や手法を学び、新たな一歩を踏み出す力を頂くとともに、集まって頂いた地域同士のネットワーク構築による協創的な地方横断型組織の創成も考えたいと思っています。

なお、本シンポジウムは、東北大学大学院環境科学研究科が国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域に提案、採択された研究開発プロジェクト「未来の暮らし方を育む泉の創造」との共同開催です。

プログラム

16.08.22 更新
9月3日(土)
08:30~12:00
島内探検 ※島外の方のみ
ルート
「自然・歴史探検」「産業探検」
※どちらかをお選び頂けます
値段
2,000円
12:00~13:20
昼食 ※島外の方のみ
場所
あしびの郷・ちな ※事前申込可
値段
1,000円
13:20~
シンポジウム
場所
あしびの郷・ちな
開会のあいさつ実行委員長 朝戸 武勝
来賓あいさつ
趣旨説明酔庵塾 塾長 石田 秀輝
基調講演 環境省大臣官房会計課長 鳥居敏男演題 『環境・生命文明社会の創造とつなげよう、支えよう森里川海プロジェクト』 鈴廣かまぼこグループ 代表取締役副社長 鈴木 悌介演題『なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか <地方創生はエネルギーの地産地消で>』 株式会社アンカーリングジャパン 沖縄民間観光案内所「アーストリップ」代表取締役 中村 圭一郎演題『島の持続可能な観光を考えるこれからの地域らしさ、島らしさを実現するために。』
落語落語家 桂 三四郎演題『90歳ヒアリング落語〜沖永良部島』
高校生による島のビジネス提案(仮)
島に大学がやってくる! サテライトカレッジ説明
パネルディスカッション 島の未来を考える
18:30頃~
大交流会
場所
フローラル館
会費
3,500円 ※要事前申込
余興
御前風・エイサー 他、島文化紹介
9月4日(日)
09:00~12:00
分科会島を創った5つの力を5分科会に分かれて議論
場所
あしびの郷・ちな
12:00~13:00
昼食
場所
あしびの郷・ちな
値段
500円 ※要事前申込
13:00~14:00
分科会発表
14:00~14:30
登壇者コメント
14:30~14:50
総括
14:50~15:00
閉会のあいさつ
15:00
閉会
18:30~
後夜祭
場所
ハイサイ
会費
3,000円 ※要事前申込

基調講演講師

鳥居敏男

環境省大臣官房会計課長
鳥居 敏男
1961年、大阪府生まれ。京都大学農学部卒。84年、環境庁(当時)入庁。富士箱根伊豆、上信越高原、瀬戸内海などの国立公園管理事務所のほか、自然環境局自然環境計画課、野生生物課、生物多様性地球戦略企画室等に勤務。東北地方環境事務所長、自然環境計画課長を経て、2016年6月から大臣官房会計課長。つながりが希薄になった人と自然の関係をもう一度見直し、自然の恵みを持続可能な形で次の世代へ引き継いでいくための省横断的な「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトチームの主査も務める。同プロジェクトの詳細は、
ホームページをご覧ください。

鈴木悌介

鈴廣かまぼこグループ
代表取締役副社長
鈴木 悌介
1955年 神奈川県小田原市にてかまぼこ屋の次男として誕生。米国での10年間のビジネス経験を経て、現在、鈴廣かまぼこグループの代表取締役副社長。併せ、商工会議所会頭として、日本の元気は地域からという考え方で、地元のみならず全国のネットワークを活かし、地域の資産を活かした活性化を目指し活動。「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」を立ち上げ、2013年11月に一般社団法人化。現在、その代表理事を務める。著書『エネルギーから経済を考える』を出版。他(平成28年6月現在)

中村圭一郎

株式会社アンカーリングジャパン
沖縄民間観光案内所「アーストリップ」
代表取締役
中村 圭一郎
私は、2002年から本格的に沖縄の地域資源を生かしたエコツアーガイドを開業し、2005年には沖縄民間観光案内所「アーストリップ」を那覇市に設置しました。そんな中、国内外の旅行者へ観光情報を提供する中で、同時に沖縄県内の地域・離島をつなぐ着地型観光のプラットフォームづくりに取り組み、現在では観光プロデューサー・地域アドバイザーとして、沖縄県内地域・離島の事業所向けの資源開発と着地型観光の組織マネジメントやプログラム開発等の人材育成・ノウハウ作りの支援業務にも取り組んでいます。2006年から、(株)アンカーリングジャパン設立代表取締役に就任し、2014年度は、「沖縄県沖縄感動体験プログラム実証事業」検討委員、「誰にでもやさしい観光地づくり形成事業」ワーキング委員・シンポジウムパネラー等を担当。

パネリスト

ファシリテーター

吉澤保幸

場所文化フォーラム代表幹事
吉澤 保幸
元日銀マンで、現在上場企業の取締役や社団の代表理事に就任する一方、(一社)場所文化フォーラム名誉理事、ローカルサミット事務総長等の立場から、場所文化フォーラム等を中心に、地域での「温かなローカルマネーフロー」の具体化を図りつつ、丸の内にある「にっぽんの…」を交流拠点として、「ローカルサミット」の毎年開催を通じ、全国の地域活性化活動の連携によるローカルからの日本再生活動に注力している。
パネリスト

古川柳蔵

東北大学大学院環境科学研究科准教授
古川 柳蔵
1972年、東京都生まれ。博士(学術)。東北大学大学院環境科学研究科准教授。専門は環境イノベーション。東京大学大学院工学系研究科修了後、民間シンクタンクを経て、2005年に東京大学大学院にて博士号取得。2005年に現職。ライフスタイル変革を促進するためのイノベーション手法を研究。古川研究室分室を秋田市、北上市、豊岡市、志摩市、沖永良部島などに設置。日本の地域に未来の暮らし創造塾を設置し、バックキャスト思考の新ライフスタイルが湧き出る泉づくりを進めている。

樋口邦史

遠野みらい創りカレッジ 代表理事
樋口 邦史
1960年(昭和35年)静岡県に生まれる。1983年成城大学経済学部卒業、同年富士ゼロックス株式会社入社、静岡支店、トヨタ営業部等を経て、現在 営業計画部復興推進室 室長。2011年3月東京理科大学専門職大学院 総合科学技術経営専攻卒業後、同大大学院イノベーション研究科イノベーション専攻博士後期課程へ進学。2014年3月単位取得満期退学(技術経営修士)。同年4月遠野みらい創りカレッジ設立。2016年4月8日、一般社団法人「遠野みらい創りカレッジ」設立と同時に、その代表理事に就任。

村松一

一般社団法人リバースプロジェクト 代表理事
株式会社ニト建築文化設計所 代表取締役
村松 一
1975年奈良県生まれ。東京芸術大学美術学部建築科卒業、ロンドンA.Aスクール、東京大学情報学環学際情報学博士課程前期修了。2003年に一級建築士事務所ニト建築設計事務所設立、その代表として多くの住宅、商業施設の設計活動を行いながら、東京大学大学院情報学環博士課程に進学、多くの知見に触れる。2011年より、学生時代からの友人である伊勢谷友介の誘いに応じ、株式会社リバースプロジェクトに参画。建築デザイン、復興支援、地域再生の各プロジェクトに携わる。2013年より社団法人リバースプロジェクトの代表理事に就任する。

菅村和子

菅村商店 オーナー役員
菅村 和子
宮崎県生まれ、宮崎市の病院勤務後、都会に憧れ大阪の会社に就職、様々な部署を経験し常務秘書を最後に結婚退職、昭和52年沖永良部島に移住。ご主人の家業である(有)菅村商店(酒類卸・小売業)を切盛りし、平成16年代表取締役社長。現在は菅村商店他2社(不動産、運送)のオーナー役員を務める。島言葉の壁と子育て、商売に追われ、政治的なことにはほとんど関心を持って来なかったが、厳しい財政状況の中で進んでいる和泊町の新庁舎建設計画を機に『明日の和泊を考える会』の創設に参加、計画の見直し運動を続けている。

竿智之

美容室PEACE CUTS代表
酔庵塾 事務局長
竿 智之
1978年沖永良部島生まれ。沖永良部高校卒業後、グラムール美容専門学校を経て美容師免許取得。大阪、名古屋の美容室で約11年間勤務。k-two名古屋店の店長を経て、2010年に沖永良部島にUターン移住。『沖永良部島を美しく、豊かに』を理念にPEACE CUTS オープン。2015年より酔庵塾に参加。石田秀輝先生の『心豊かな暮らし方』の上位概念である『間抜けの研究』に感銘を受け、酔庵塾事務局に参画、2016年事務局長に就任。個人的には美容室を基地に酔庵塾で学んだ事を島内外、美容業界に向けて発信を続けている。また、家族のコミュニケーションのあたらしいカタチ『心と心を編む三つ編み教室』。介護施設などを訪問して髪の毛を切る『ボランティア・カッツ』などの活動も並行して行っている。

桂三四郎さん紹介

桂三四郎

落語家
桂 三四郎
1982年2月24日生まれ。兵庫県出身。2004年4月師匠桂三枝(現・六代桂文枝)に入門。天満天神繁昌亭、ルミネTheよしもと、渋谷よしもと∞ホール、なんばグランド花月などに定期出演、新宿末広亭、浅草演芸ホールなどにも出演。TV、ラジオ、映画など、東京、大阪を中心に全国で活動中。「落語家に学ぶコミュニケーション術」「ユーモアが心を豊かにする」などの講演活動も好評。MBSラジオ『ヤングタウン日曜日』レギュラー、TVCM『HottoMotto』、フジテレビ『爆笑レッドカーペット』他

酔庵塾

酔庵塾について

塾長である石田 秀輝さんは、1998年に伊奈製陶株式会社(現 株式会社LIXIL)に勤務していた頃、会社のリフレッシュ休暇で沖永良部島に訪れてから、毎年通い続け、2004年「風の家」というコンセプトで、知名町徳時字に小さな庵「酔庵」を建て、2014年3月末に東北大学を退職後、島に移住しました。

石田さんは、島の人たちに沖永良部島で「心豊かな暮らし方」をお互いに探しながら、そこで得た考え方を共有し、広めていくための活動を行うため「酔庵塾」を作りました。
ちなみに、酔庵は石田さん宅の屋号からとっています。
酔庵塾は2014年9月に第1回を開催してから、ほぼ毎月開催され約70名の島民、職種も農家・漁師・商売人・建設事業者・主婦・行政職員等の様々な人たちが参加しています。
塾は石田さんが「地球環境問題」や「暮らし方のかたち」のあり方などについて講和するとともに、時には島内外の人を講師にお願いして「心豊かに暮らすためには、どうすれば良いか」を塾生全員と学んでいます。

また、前回の平成27年第6回沖永良部シンポジウムからは酔庵塾が主体となり、沖永良部島が失くしてはならない5つの価値『食』『自然』『楽しみ・遊び』『集い』『仕事』について世代を超えた多様な人たちが、熱い議論を交わしまとめあげ、光り輝く20年後のライフスタイルについて発表を行いました。
今年は、20年後の光り輝くライフスタイル実現の為、12の部会を立ち上げ、まず3年後へ向け、「米作り部」では田植え、「島料理部」ではおしゃれな島料理レシピ本の発行、「教育部」では島に大学を誘致する等の具体的な取り組みを行っています。

最近、酔庵塾では子育て世代にも門戸を開くためキッズルーム「みらいのたまりばぁ~」を併設し、お子さん連れでの参加を歓迎しています。 これからも酔庵塾では、「光り輝く沖永良部島」であるための活動に励みます!

未来の暮らし方を育む泉の創造の概要

リステックス

今後益々厳しくなるであろう地球環境制約や、少子高齢化などの社会的制約の中で、持続可能かつ心豊かな社会を実現するためには、経済成長や暮らしの利便性を追求する従来の考え方ではなく、制約を踏まえた新たなライフスタイルの創造と移行が求められます。
本プロジェクトでは、制約条件が異なる4地域をモデル地域として、地域に適した未来のライフスタイルを創出する基盤をそれぞれ構築します。具体的には、現在90歳前後の高齢者へヒアリングを行い、戦前の厳しい制約の中で豊かさを生み出す価値や地域らしさを抽出し、それらを基に、新しいライフスタイルをバックキャスト思考によりデザインします。また、描いた新しいライフスタイルを多世代共創により具現化し、浸透させるための方法論の構築を目指しています。

沖永良部マップ・アクセス 奄美航空ツーリストのリンク

沖永良部島マップ

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